先日、宅急便でビンテージのスカジャンが3着届きました。
事前にメールと電話でリスクの説明をさせて頂いておりました。
実際に品物を拝見させて頂くと経年劣化は私の想像以上のものでした。
このスカジャンを見て思い出した事があります。
私の仲人をして下さった方の趣味は、旧日本軍の服を集めること。
見せてもらったコレクションはドレも、古くて損傷が激しく着用は無理なモノばかりでした。
着用したくて、購入してるではないのは、すぐに解ります。
今回のスカジャンも同様にかなり古いものなのでしょう。
お客様のメモ(注意書き)には、ファスナーの開閉は出来るだけ避けて下さいとの事。
注意してそっと開閉しなければ、破損してしまうコンディションです。
ちょっとテストしてみて「洗えない(染み抜き出来ない)」と判断し、その旨をご説明して返品させて頂きました。
折角、送って頂いたのにお役にたてなくて本当に申し訳ありませんでした。
本当に何とか染み抜き出来ないものかと考えた末の返品です。
私の力不足なのかもしれません。。。ごめんなさい。
エイジング
味出し
ビンテージ
古着
着古した感のある新品も多いですね。
ジーンズに穴やペンキ。
キャップはツバがホツレていたりします。
革製品ではライダーズジャケットなど・・・
着用感のある加工をした新品もありますが実際に凄く古い品。
あんまり古いとクリーニングや染み抜きに耐えられるかな?って悩んでしまいます。
古いシミや広範囲の汚れ。
今回のスカジャンも沢山汚れてシミがありました。
ご要望は、素材のダメージは最小限でシミを抜いて欲しい!
色合い 縫製 ファスナー ・・・どれも心配でした。
破れてる部分は破れが広範囲に広がるかもしれません。
キツイ事をしなければ、落ちない類の染み。
しかし、その作業をする事で現状よりもコンディションを悪化させる危険性が極めて高いです。
まず、全体的に生地が限界に近い状態です。
スカジャンと言えば刺繍!デザインの要の刺繍の糸もかなり弱っていますし、色も出ます。
乾いた状態でこのくらい生地が弱っているのが確認出来ると、濡らした際には「破損」の危険性が高いです。
中綿のあるものは、中綿のもかなり汚れていました。
しかも、団子になって固まっていて均一になっていません。
この中綿を完全にキレイにしてあげないと
中綿から表地に汚れが浮き出てきてしまうでしょう。
経験上、刺繍部分からの色落ちだけではなく、伸びきって今にも切れそうなジャージ部分からも色が出る可能性も高いです。
色落ちが止まらなくなってしまい、全体的に汚いムラムラになる可能性も・・・
もう、染み抜きどころか、通常の洗濯にも耐えられる状態ではないのかもしれません。
「こんな風になるなら、染み抜きなんか頼まない方が良かった!」
こんな結果になる確率が極めて高いアイテムです。
現状のコンディションをキープすることが目的なら、着物を扱うように
最高に優しくドライクリーニングする事は可能でしょう。
しかし、染みや汚れが落ちる確立は極めて低いですね。
「クリーニング屋に断わられたら捨てる!」
「このままでの着用は無理!」なんて場合はリスクを了承して頂き例外的に作業をすることもありますが・・・
ビンテージ製品のスカジャンですので、存在してることだけでも意味があるのではないかと思います。
無理なクリーニングでダメにしてしまうよりは・・・
と当店では結論を出しました。
スカジャンから別のアイテムの話をしますと・・・
10年以上もの間、強い日差しに当たっていたカーテン。
軽く引っ張っただけで、紙の様に切れてしまう場合もあります。
そんな場合はクリーニングは不可能です。
カーテンそのものはクリーニングに耐えられるのですが、カーテンをつなぎ合わせてる糸が弱ってる場合もあります。
お預かりした際にはカーテンでも、お渡しの際には暖簾になってた!なんてケースです。
乾いた状態では大丈夫でも、浴中に入れると糸が切れてしまったり・・・
頻繁にクリーニングする人は少ないでしょうが、カーテンは長期間の使用でとても汚れます。
洗えない程、生地が弱くならないうちにお手入れする事をお勧めいたします。
カーテンから別のアイテムの話に移ります。
昨日は、私の地元のお祭りでした。
「信ちゃん。この旗クリーニング出来ない?」って毎年の様に聞かれます。
お祭りの際には、村中から見える様な大きな旗を掲げます。
物凄く大きな旗です。
子供達のお神輿の前後にも旗を持って歩く人がいます。
旗だけではなく、神社で保管してるお祭りで使用する備品の全ては、既に数十年の月日が経過しておりシミや汚れが付いて、文字からは色が落ち、破れた箇所やホツレた箇所も随所にあります。
1968年生まれの私よりも古いものもあるでしょう。
それらを見たり触ったりした方の感じる事は・・・
単純に、「汚い」のです。
だから、「洗えない?」「キレイにならない?」と聞かれます。
でも、やはり無理です。
リスキーすぎます。
クリーニングに出したら、「新品みたいになってきた。」
そんな風に感じてもらえる様に、リスキーな事も何とかできないか?と考えて、
様々な作業方法を検討しながら染み抜きをしています。
魔法が使えるわけではありません。
とても古い物はやはり洗えない可能性も高いです。
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