洗えないもの

内部から浮き出てくるシミ

僕らの音楽 武田クリーニング編では、華麗なギターテクニックを披露してくれる私の友人で

毛皮・皮革製品のプロフェッショナル「井上氏」からの依頼で革のジャケットを預かりました。

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電話では「汗染み」って言ってました。

拝見してスグに「汗染みじゃないっすよ」って事を私が言い出し・・・

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部分的に解体する事に。

針や糸は持たないし、ミシンなんか使った事もない私に対して、彼は手際よくその辺にあるハサミを使って全く躊躇わずにウラ地を外しにかかります。

Img_0448

すると、シミの元が解りました。

Img_0451

触るとベタベタしています。

確かに、着用して汚れたシミもありますが・・・

目立つ濃い色のシミの原因はこの内部の接着剤です。

洋服を製品として仕上げる際には、様々なモノを使っています。

オモテから見えるものだけではありません。

しかし、そんな見えない部分を気にしても仕方ないのです。

気に入ったから購入し、似合ってな!って満足して着用し、そして汚れます。

その汚れの原因が、自分の皮脂や汗であったり・・・

食べこぼしであったり・・・・

だけど、誰も洋服の内部の見えない部分からオモテに浮き出てきてるなんて思いません。

実際、どんなに年数が経とうが、クリーニングを繰り返そうが、内部からシミになってしまうなんて製品はNGです。

勿論、殆どの製品は大丈夫です。

でも、レアなケースですが、内部から浮き出てくるシミはゼロではありません。

今日、ご来店のお客様。

お持ち下さったのは羽毛布団です。

先週、新しいのを買いに行った際に、羽毛布団から変な臭いがして買わずにきたとのこと。

捨てようかと思ったけど、まだ大丈夫よね?

そういわれて、もうダメですね。って言うクリーニング屋は居ません。

クリーニング屋に持ち込む意志があれば、殆どの物は大丈夫です。

ただ、「こんな風にダメージが拡大するかもしれない」的な話をする場合はありますが、お預かりした羽毛布団なんか、まだまだ余裕で大丈夫でした。

羽毛布団から変な臭い。

そう聞いて臭いをイメージ出来る人ってどの位いるでしょうねぇ。

多分、中綿の羽毛の臭いです。

羽毛は水鳥の毛ですから、本来なら獣臭がして当然です。

製品にする際に、綺麗に洗浄し臭わなくして使います。

布団のタグに付いたサンプルの袋には真っ白でふわふわの綺麗なダウンが入っていますので、「汚い」とか「臭う」ってイメージする人はいません。

ダウンジャケットだって同じです。

製品にする際の洗浄が十分でない場合。

獣臭がするかもしれません。

羽毛そのものから、汚れが浮き出てくるかもしれません。

キルティングの縫い目(キワ)が輪染みになるかもしれません。

つまり、オモテから見えない内部から出てくる汚れです。

クリーニング屋にとっては、物凄く厄介です。

誰も好き好んで、お預かりの際には無かったシミを付けたくはないのです。

でも、全体処理でドライクリーニングをしたらダウンのキワに輪染みが・・・・

困った!どうしよう!って話を結構聞きます。

故意にやってる訳ではありません。

そんな事をお客様も解っていますが・・・

他人のダウンなら冷静でも、いざ自分のダウンとなると

怒りの矛先は製造元ではなく、クリーニング屋です。

何故なら、クリーニングした事が原因で出来たシミだからです。

そんな困ったダウンも存在するって事を覚えておいて欲しいです。

色々と予想外のトラブルってあるんですよ。

異素材から移染したりとかね。

クリーニング(メンテナンス)の事を考えたら、信じられない素材の組み合わせで製造してる服もありますからねぇ。

ご利用有難う御座いました。

お気軽にご相談下さい

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ご紹介してる画像は
同じようなシミでお悩みの方の参考になります様に
独断で掲載させて頂いております。

掲載に関して不都合な事がございましたら
お手数ですが下記までご連絡くださいませ。

info@e-siminuki.com
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帽子って洗えますか?

衣類に付いてるタグに最も関心がある人って、クリーニング屋かもしれません。

いやいや、そんな事はないですよ。

しっかりと、責任を持って情報を記載しタグを取り付けて販売してるアパレルメーカーさんにお叱りを受けるかもしれませんね。

タグには色んな情報が書いてあります。

モノによっては、一枚だけでなく何枚も付いています。

小さな字で「取り扱いやお洗濯には注意して下さい」的な表示がありますが、読んだことって御座いますか?

素材や洗濯絵表示ぐらいは見たことがあると思いますが、購入時に確認してから買う人はかなり少ないと思います。

別にそんなの見なくても困らない!ですもんね。

Img_7250

例えばこの帽子。

タグなんか見ないで、普通に当店にクリーニングに出して頂いています。

当店でも普通に綺麗にして、お渡しし料金を頂いています。

でも、タグはこんな感じです。

Img_7252

この絵表示は「洗えません」って読みます。

だから「洗濯はお避け下さい」って書いてあります。

家庭では洗えないってこと?

クリーニングに出せばOK?

そう思う方もいるでしょう。

このタグに書いてあるのは、家庭でもクリーニング屋でも「洗えません!」って事です。

素材を見ると、どうしてこんな表示を付けるのか理解に苦しみます。

Img_7255

勿論、洗えます。

コタツ布団やカーペットも、同様の洗濯絵表示を見かけます。

洗えないのを知ってて買いました?

そんな問いには、ほぼ全員のお客様が「知りませんでした」って答えます。

どんなアイテムも着用(使用)すれば汚れます!

洗えないのなら・・・

汚れたのを気にしないで着用する。

汚れたのを我慢して着用し、あまりにもひどくなったら捨てる(使い捨て)。

汚さないように、着用は控える。

これ以外にあります?

どれも、ですよね。

しかし、間違っても商品を陳列してる販促のPOPにはデメリットをお知らせする文字はありません。

「人気商品」

「ヒット商品」

「限定品」

「お奨め品」

「洗えない品

ね、ありえないでしょ。

洗えない!って書いてあるのを知ってたら買わなかったって方も多いはずです。

なんか、変わった素材だなぁ

面白いデザインだなぁ

そんな時はちょっと裏地に縫い付けてあるタグを見てください。

読んで内容が解らないなら、スタッフさんに聞いてみてください。

お値段。

色。

サイズ。

デザイン。

ブランド。

似合う?

そして、洗えます?

って感じでチェックしてみてください。

もう一つ別の帽子に付いてたタグの画像を見て下さい。

Img_5603  Img_5602

この帽子はとても涼しげな素材感のハンチングです。

洗えませんって絵表示ですね。

でも、洗えるんじゃないの!って感じで素材を確認すると・・・

「ペーパー100%

う~ん・・・・

こいつは手強い。

ハンチングの形は崩したくないので、紙製を浸けこみは厳しいかも。

額に当たる部分のみ、汗抜き(染み抜き)するか・・・

そんな風に考えてる私を見て、「あ、今日は置いていかないです」ってお客様。

ハンチングがとてもお似合いでした。

洗濯やクリーニングや染み抜き。

衣類の保管や素材。

何処に相談すればいいの?

誰に聞けば教えてくれるの?

大手チェーン店の受付業務を専門にしてる方もクリーニング屋です。

毎日、毎日、染み抜きして長い事マメにブログを書いてる私も同じクリーニング屋です。

聞かれたら困る!解らないもの!って思って受付してる方もクリーニング屋なら、

何でも聞いて下さい!ってスタンスで受付してる私もクリーニング屋です。

ブランドの事はお客様にお伺いしちゃう私ですが、メンテナンスや染み抜きに関しては私に聞いて下さいませ。

ご来店をお待ちしています。

全ての画像はクリックで拡大します。

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特別な日に着る特別な衣装

住所の読み方はその土地の人じゃないと解りにくい場合が多々あります。

ちなみに私の住所は「荒谷」です。

「あらや」って読みますが、別の読み方だって出来ます。

「今、アラタニの駐在所の近くまで来てるんですが、ここからどう行ったらいいでしょう?」

私はスグに「アラタニ」ではなく「アラヤ」だと解りました。

初めてご来店のお客様。

場所が解りにくい場合は何時でもお電話ください。

「厄介なモノを持ってきました」と遠方からお越し下さったお客様。

ご来店有難う御座います。

アイテムは一般的な洋服ではなく、ガウンの様なワンピースの様なちょっと変わった衣装です。

普段着るような一般的な洋服ではありません。

お祭りやイベントの時だけ着る衣装だろうと思いました。

お困りの染みは、黄ばみと洗濯色移り。

黄ばみは肩口付近が目立ちました。

色移りに関しては結構たくさんの箇所にありました。

白地にブルーの色移りです。

素材は厚手の綿だろうと思います。

ケアラベルがないので、素材や洗濯絵表示もありません。

かなり以前に購入なさったとのことです。

色移りの原因は洋服に沢山縫い付けてあるブルーの異なった素材の布です。

縫い付けてあるのは青だけではなく、赤も沢山あります。

どのくらい色が出るんだろう・・・

見るからに色が出そうな感じでした。

実際にテストしてみないと解りませんが、黄変や移染を落とすには優しくデリケートに洗っても無理です。

高温でのキツイ漂白も必要になるかもしれません。

色落ちが凄い場合は色止めをしますが、それで万全な訳ではありません。

私は作業内容をイメージして、リスキーな部分をお知らせしました。

どんな染み抜きもやり方によってはリスクが高くなります。

リスク

料金

お客様の満足度

色々と考えると・・・・・

洗わない方がよいアイテムなのかもしれません。

まず、普段着やオシャレ着ではないし、特定の日の特定の場所でのみ着用するであろう特別な衣装。

数は沢山ありますが、今現在でも言われなければ解らない程度の色移り。

着用してて、指摘されることはないのではないかと思いました。

肩口の黄ばみもそうです。

そんなに酷いものではありません。

着用後、これ以上移染しない様に注意しながら「汗抜き」する程度の水洗い。

無理してリスクの高い染み抜きや全体漂白をするよりも、毎年一回上記の様なメンテナンスで長年お使いになってはいかがでしょう?的な応対を致しました。

「やっぱり来て良かった!」

「話が出来てよかった!」

「ありがとう!」

お預かりもしないのに、お礼を言われちゃいました。

「お役にたてずにスイマセン」って頭を下げる私です。

又のご来店をお待ちしています。次回はきっとお役にたてるように頑張ります。

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ビンテージスカジャン

先日、宅急便でビンテージのスカジャンが3着届きました。

事前にメールと電話でリスクの説明をさせて頂いておりました。

実際に品物を拝見させて頂くと経年劣化は私の想像以上のものでした。

このスカジャンを見て思い出した事があります。

私の仲人をして下さった方の趣味は、旧日本軍の服を集めること。

見せてもらったコレクションはドレも、古くて損傷が激しく着用は無理なモノばかりでした。

着用したくて、購入してるではないのは、すぐに解ります。

今回のスカジャンも同様にかなり古いものなのでしょう。

お客様のメモ(注意書き)には、ファスナーの開閉は出来るだけ避けて下さいとの事。

注意してそっと開閉しなければ、破損してしまうコンディションです。

ちょっとテストしてみて「洗えない(染み抜き出来ない)」と判断し、その旨をご説明して返品させて頂きました。

折角、送って頂いたのにお役にたてなくて本当に申し訳ありませんでした。

Dscn4853  Dscn4854

本当に何とか染み抜き出来ないものかと考えた末の返品です。

私の力不足なのかもしれません。。。ごめんなさい。

エイジング 

味出し

ビンテージ

古着

着古した感のある新品も多いですね。

ジーンズに穴やペンキ。

キャップはツバがホツレていたりします。

革製品ではライダーズジャケットなど・・・

着用感のある加工をした新品もありますが実際に凄く古い品。

あんまり古いとクリーニングや染み抜きに耐えられるかな?って悩んでしまいます。

古いシミや広範囲の汚れ。

今回のスカジャンも沢山汚れてシミがありました。

ご要望は、素材のダメージは最小限でシミを抜いて欲しい!

色合い 縫製 ファスナー ・・・どれも心配でした。

破れてる部分は破れが広範囲に広がるかもしれません。

キツイ事をしなければ、落ちない類の染み。
しかし、その作業をする事で現状よりもコンディションを悪化させる危険性が極めて高いです。
まず、全体的に生地が限界に近い状態です。
スカジャンと言えば刺繍!デザインの要の刺繍の糸もかなり弱っていますし、色も出ます。
乾いた状態でこのくらい生地が弱っているのが確認出来ると、濡らした際には「破損」の危険性が高いです。
中綿のあるものは、中綿のもかなり汚れていました。
しかも、団子になって固まっていて均一になっていません。
この中綿を完全にキレイにしてあげないと
中綿から表地に汚れが浮き出てきてしまうでしょう。
経験上、刺繍部分からの色落ちだけではなく、伸びきって今にも切れそうなジャージ部分からも色が出る可能性も高いです。
色落ちが止まらなくなってしまい、全体的に汚いムラムラになる可能性も・・・
もう、染み抜きどころか、通常の洗濯にも耐えられる状態ではないのかもしれません。
「こんな風になるなら、染み抜きなんか頼まない方が良かった!」
こんな結果になる確率が極めて高いアイテムです。
現状のコンディションをキープすることが目的なら、着物を扱うように
最高に優しくドライクリーニングする事は可能でしょう。
しかし、染みや汚れが落ちる確立は極めて低いですね。
「クリーニング屋に断わられたら捨てる!」
「このままでの着用は無理!」なんて場合はリスクを了承して頂き例外的に作業をすることもありますが・・・
ビンテージ製品のスカジャンですので、存在してることだけでも意味があるのではないかと思います。
無理なクリーニングでダメにしてしまうよりは・・・
と当店では結論を出しました。
スカジャンから別のアイテムの話をしますと・・・
10年以上もの間、強い日差しに当たっていたカーテン。
軽く引っ張っただけで、紙の様に切れてしまう場合もあります。
そんな場合はクリーニングは不可能です。
カーテンそのものはクリーニングに耐えられるのですが、カーテンをつなぎ合わせてる糸が弱ってる場合もあります。
お預かりした際にはカーテンでも、お渡しの際には暖簾になってた!なんてケースです。
乾いた状態では大丈夫でも、浴中に入れると糸が切れてしまったり・・・
頻繁にクリーニングする人は少ないでしょうが、カーテンは長期間の使用でとても汚れます。
洗えない程、生地が弱くならないうちにお手入れする事をお勧めいたします。
カーテンから別のアイテムの話に移ります。
昨日は、私の地元のお祭りでした。
「信ちゃん。この旗クリーニング出来ない?」って毎年の様に聞かれます。
お祭りの際には、村中から見える様な大きな旗を掲げます。
物凄く大きな旗です。
子供達のお神輿の前後にも旗を持って歩く人がいます。
旗だけではなく、神社で保管してるお祭りで使用する備品の全ては、既に数十年の月日が経過しておりシミや汚れが付いて、文字からは色が落ち、破れた箇所やホツレた箇所も随所にあります。
1968年生まれの私よりも古いものもあるでしょう。
それらを見たり触ったりした方の感じる事は・・・
単純に、「汚い」のです。
だから、「洗えない?」「キレイにならない?」と聞かれます。
でも、やはり無理です。
リスキーすぎます。
クリーニングに出したら、「新品みたいになってきた。」
そんな風に感じてもらえる様に、リスキーな事も何とかできないか?と考えて、
様々な作業方法を検討しながら染み抜きをしています。
魔法が使えるわけではありません。
とても古い物はやはり洗えない可能性も高いです。

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