復元加工
白いブラウスを真っ白に
PC用語でマルチタスク。
意味は解らないし、そんな言葉を使用した事がない方でもマルチ(複数)のタスク(仕事)をPCにやらせているのではないでしょうか。
クリーニング屋の場合。
様々なタスクが御座います。
アイロンをかける。
洗う。
干す。
受け渡しする。
包装する。
電話に出る。
配達する。
大きなクリーニング工場では、分担して仕事をやっていますが・・・
個人店として営業なさってる方はみんなマルチプレーヤーでしょう。
得意とか不得意とか
好きとか嫌いとか
多少はあるにしても、上記のすべてのタスクがクリーニング屋には必要です。
大雑把に書いていますが、実際にはもっとたくさんの作業があります。
同業の皆様。
忙しいですね。
狭い!
暇な時は広く感じる工場内も、洋服の置き場所に困る時期かと思います。
ウールのスーツの復元加工
ブログの左側には、沢山のカテゴリーが並んでいます。
○○の染み
とか
○○の汚れ
とか・・・
毎回、投稿する際にカテゴリーを私が選択しています。
今日、ご紹介の紳士用のスーツ。
複数のカテゴリーを選択しようと思いました。
ところが・・・
あまりにも、カテゴリーが多くなってしまう事にスグに気が付きました。
該当する項目をざっと箇条書きにしてみてもご覧の様になります。
- ウェットクリーニング
- ウォーターウォッシュ
- ダブルクリーニング
- 復元加工
- 全体の汚れ
- エリの汚れ
- カビ
- 黄ばみ
- オシッコの染み
- 汗染み
- 皮脂汚れ
等です。
お客様からのご相談は「カビ」でした。
全体に付着しているとの事。
確かに、凄いコンディションで届きました。
ブランドはダーバン。
ウール100%のスーツです。
依頼票には、アフリカで着てたって書いてありました。
大量に汗をかいたのでしょう。
数年前にウラ地(袖)の、黄ばみが気になり、国内のクリーニングにシミヌキを依頼。
すると「取れない」と言われそのままの状態。
オモテからは見えないので、そのまま着用。
今度は海沿いの南の島に数ヶ月滞在と書いてありました。
多湿だったとの事。
スーツ全体に、信じられない程のカビが付着してしまったそうです。
ブラシで落として下さってから、当店に送って下さいました。
このコンディションでお預かりする頻度は流石に少ないです。
ウラ地の黄ばみはあきらめてるとの事。
何とかカビだけでも・・・とのご依頼です。
しかし!
私は「黄ばみ」もあきらめてません。
そう電話でお話し、作業内容をご説明しました。
カビも確かに付着していますが、皮脂や汗が沢山付いてるのが見て触って解ります。
ウールのスーツの通常のメンテナンスはドライクリーニングです。
購入してから廃棄するまで、着用とクリーニングと収納を繰り返す中で、一度も水洗いしないスーツだって沢山あるでしょう。
コンディション次第では、通常メンテナンスではなく、「ウェットクリーニング」を選択してあげた方が良い場合が御座います。
何故なら、ドライクリーニングでは落としきれない汚れがあるからです。
その代表が汗です。
蓄積された汗の汚れは、後に黄ばみますし、地色の染色だって傷めます。
必要に応じて汗抜きをして頂く事をオススメします。
特にスラックス。
汗でまとわり付くウラ地はベタベタして気持ち悪いですね。
その汗。
ドライクリーニングや、「水洗いしない汗抜き」では落ちない可能性「大」です。
オススメは断然「ウェットクリーニング。」
やってくれるクリーニング屋さんも増えています。
ただ・・・
通常のクリーニングよりも高い場合が殆どです。
水洗いすると高い理由は、一言で言えば時間がかかるからです。
長年、蓄積された汗や皮脂。
全体のカビ。
ウラ地の黄ばみ。
まるで・・・
魔法の様に綺麗にしたいと思って作業をさせて頂きました。
結果はコチラです。
かなり、大胆な漂白をしています。
↓
画像では綺麗に見えますが、完全に黄ばみは取れていません。
黄色って、どんなに薄くなっても認識出来る色なんです。
しかし、お預かりの状態では「廃棄」の二文字もイメージ出来たでしょう。
でも、お渡しの状態では「頼んで良かった」って思って頂けたのではないかと思います。
ご利用有難う御座いました。
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シャネルのアンサンブルニット 黄ばみ 黄変
中々、春らしい暖かさになりませんね。
普通に冬のアウターを着ててもおかしくない寒さです。
先ほど、ご来店のお客様はこれから高速道路に乗ってお出掛けとの事。
今日からでしたね、1,000円乗り放題。
当店から、一番近い高速道路のICは山形自動車道の山形北ICです。
クルマで10分の距離です。
1,000円で何処までも行けるって凄いですね。
真っ先にイメージしちゃうのがモンテディオ山形のアウェイ戦。
行ってみたいなぁ。
今日の染み抜きはお馴染の黄変です。
脇だけではなく、あちらこちらに沢山あります。
アイテムはアンサンブルニット。
素材は綿100%です。
ブランドはシャネルです。
全体を水浴中で漂白する前に、部分的に染み抜きしてみました。
動画では全く黄ばみが解らなくてスイマセン。
地色のピンクはそのままで、黄ばみだけを綺麗にする作業です。
数が少なければ、部分的な染み抜きでも対応出来るのですが、
半袖のセーターの方は脇の下に黄ばみもありましたし、染み抜きする箇所が多かったので全体漂白をしています。
黒い部分から色移りしない様に、温度や洗剤、漂白剤を加減しています。
誰もが知ってる高級ブランド品。
ドライクリーニングではイマイチすっきりしないと思っていても、水洗いには抵抗があるお店もあると思います。
しかも!
経験上、この黄ばみは漂白をしないと落ちないと思ったら、尚更ウェットはしたがらないのではないでしょうか。
でも、これがシャネルじゃなかったら・・・
でも、これが白無地だったら・・・
漂白するでしょ!
ケアラベルは水洗いNGだとしても、綿100%ですもの。
だいぶ、使用感がありましたので流石に新品の様にはなりませんが
とてもすっきりと洗いあがりました。
ブランド品だから、クリーニングには怖くて出せない。
クリーニングに出せば傷むでしょ。
長く着たいから、なるべくクリーニングしない。
そんな風にお考えのお客様だっていらっしゃると思います。
怖くて、家庭で洗えない!
そんなブランド品だって着れば必ず汚れます。
そして、私は汚れた服を綺麗にする仕事をしています。
ブランド品だと認識してお預かりしますが、ウェットをしない訳ではありません。
綺麗にして、お渡しするのに必要な作業は必ず致します。
ご利用有難う御座いました。
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ブルックスブラザーズ スーツの水洗い
洗わないで沢山着用する。
染みなんかつけてないし、大丈夫。
汗はついてはいるんだろうけど、汚れが見えるわけではないし、大丈夫。
そんな夏物のスーツ。
秋になり、冬になり、このまま洗わないのは良くないと思ってクリーニングへ。
着なくなってから、洗わずに放置すること三ヶ月以上。
でも、染みなんかついてないしそんなに汚れていないんじゃないかなぁ~
そんな風に思う(思いたい)気持ちは解ります。
自宅で水洗い可能なシャワースーツが物凄く売れてるそうですね。
真夏の暑い日に、屋外でスーツなんか着ていたら・・・
私なんかは一日で洗いたくなります。
実際、洗うでしょうね。
でもそれはクリーニング屋だから言えるのかもしれません。
一般の方にとってスーツを洗う事は、日常的なことではないはずです。
そんな中、お風呂場でスーツにシャワーをかけて汗を洗い流す。
翌朝、そのスーツをノープレスで着て出社。
まさに、夢の様なスーツですね。
洗わないで長く着用するよりも、ずっとクリーンで気持ちよいでしょう。
興味のある方は是非購入して、使用感を私に教えてください。
クリーニング屋の目線で言えば、家庭で洗えない洋服の代表であるスーツが自宅で洗えるなんて事になっては困ると思う方もいるでしょう。
でも、困ると嘆いてみても商品化を止める事なんか出来ません。
事実、大ヒット商品ですしね。
時代は猛スピードで変わります。
どんな商品が売れているか・・・把握しておくことは必要です。
どんなに時代が変わっても、お客様のご依頼で成り立つ仕事をしてるのには変わりありません。
綺麗にして欲しいとのご要望で、お預かりする洋服。
だから、私は「きれい」にしてお返しするだけです。
全くブレもなく、シンプルです。
いくら家庭でスーツを洗う時代になったとしても、当店の存在意義がないとは思っていません。
それは家庭で洗うよりも「綺麗に出来る」からです。
「染みが抜ける」からです。
シンプルで解りやすいでしょ。
夏の間、沢山着用したスーツ。
ちょっと着過ぎかもしれませんね。
そして、そのまま放置してしまったスーツ。
出来ればお早めに洗った方が良いです。
確かに・・・・・
オモテから見える染みはないかもしれません。
でも、パンツのクリースラインが消えてるだけではなく、かなり汚れてる事が私はスグにわかります。
普段、こんな画像の様にパンツを裏返しにはしません。
多分、数あるクリーニング屋の中でも受付でお客様の前でこの状態にするのは抵抗があるかと思います。
でも、私は結構やります。
当店でクリーニングするビフォーの状態を知って頂く事は必要だと思います。
膝から裾にかけては、身体に触れない部分なので汚れていません。
だけど、大腿部は凄い事になっています。
写真より、実物はもっと凄いですよ。
更にこのウラはと言いますと・・・
こんな部分にこんなにホコリが付いてるなんて、きっと想像出来ないと思います。
ジャケットも同じ様に、かなり汗が付着し汚れてしまっています。
こちらのお客様のお選びのブランドは全て「ブルックスブラザーズ」です。
アメリカン・トラディショナルとして人気の高いブランドです。
同時にお預かりした綿素材のパンツはオモテ地も広範囲に黄ばんでいました。
洗剤を溶かした無色透明なお湯もこんな色になります。
これを履いてたと思うとどうでしょう?
だけど、食べこぼしの様に染みが付く訳ではなく、ちょっとずつちょっとずつ汚れていくので
いつの間にか酷く汚れてしまうものです。
最初にお見せしたスラックスのウラ地はこんな感じに綺麗になりました。
染みを抜くのが得意なだけではありません。
こうした全体の汚れを綺麗にするのも得意です。
ウラ地なんてどうせ見えない。
そんな風にお客様が言うのは仕方ないですが、クリーニング屋が言う言葉ではないと思っています。
お預かりのアイテムはどれも10年以上も着てるとの事。
ブルックスブラザーズ。
いいっすね。
ご利用有難う御座いました。
クリーニングに「安心感」をプラス!
クリーニングって本当に凄いなって「感動」をプラス!
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ダメージ加工のワンピース
そんな風に思ってる方がいると思います。
確かに、全く傷まないのかと言われれば傷むでしょう。
でも、「傷んだ」事が認識出来ないのではあれば、「傷んでない」と言っても良いと思います。
だから、私は適切なケア・メンテナンスで傷むなんて事はないです。と言います。
額に入れて飾っておく衣類でないなら、着用するでしょう。
着用すれば、確実に汚れます。
でも、「汚れた」事が目視で確認出来ないのであれば、「汚れてない」と思うのも不思議はありません。
「汚れた」って完全に認識出来ないのに「クリーニングに出す」のって意味が解らない!
そんな風に思ってる人だっているでしょう。
モノを買う。
実際にお金と物々交換するのは、解りやすいのですがクリーニングの場合はどうでしょう?
洋服を買うのと比較して、クリーニングに出す行為はずっとテンションが低いのではないでしょうか。
衣替えかぁ~
片付ける暇がないなぁ
クリーニングに出す準備をするのが面倒だなぁ~
なんて思う人もいると思います。
今日、ご紹介のワンピースは昨年の夏に着てたものです。
勿論、秋になって収納する前にはクリーニングに出しています。
でも、今年になって着ようと出してみたら全体が黄ばんでいました。
特にエリと脇の下はかなり酷い状態です。
クリーニングに出して収納してるのに、どうしてこんな風になるの?
そう思うのが当たり前です。
汗が落ちてないのが原因だなんて言われても、プロに頼んでクリーニングにだして駄目なら出さない方がいいわ!
そう言われても仕方ないかもしれません。
多分、昨年依頼したクリーニング屋さんでは洗濯絵表示に従って、石油系溶剤を使ったドライクリーニングをしたのでしょう。
もしかしたら、素材やデザインを見て、洗浄時間を短くしてるかもしれません。
実際、私も見てビックリしましたもの。
黄ばみでビックリしたんじゃありません。
デザインです。
うちの両親は「信じられない」とコメントしていました。
まず、生地は故意にホツレさせたり、破いたりしてあります。
それからペイントされてる顔料も故意に塗ってからはがしてあったり、逆に厚めに塗ってあったりします。
黄ばみを綺麗にする作業内容は漂白です。
しかも全体が黄ばんでいるとの事なので、部分的に漂白するのではなく浸け込みでの全体処理です。
顔料プリントの色が抜ける心配はしていませんでしたが、破けてる生地へのダメージが心配でした。
ちなみに素材は綿です。
余裕で水洗い可能な素材ですが、洗濯絵表示はドライ指定で水洗いバツです。
破けてる箇所は既にデザインされて「傷んでいます」
これを水に浸けるのとドライクリーニングの溶剤に浸けるのでは、クリーニングする事での「傷み方」に凄く差が出ます。
勿論、水洗いの方がダメージが大きいです。
ウール素材なんか解りやすいです。
生地にほんの少しだけ傷があったセーターの場合、ドライクリーニングすれば、殆ど傷に変化はないでしょう。
これを超デリケートにウェットクリーニングしても、傷が広がって穴が開いてしまうのです。
「こんな所に穴なんかなかった!クリーニング屋さんが穴を開けた!」
手間をかけてウェットまでして「綺麗」にしようとした結果がこんなことでは最悪です。
クリーニング屋は、故意に傷を大きくして、ダメージを拡大したいなんてこれっぽっちも思っていません。
逆に、コンディションを良くしてお渡ししたいと願っています。
クリーニングだけではなく、リフォームだってやってくれるお店もあります。
洗ったり染み抜きしたりしても、針と糸、時にはミシンを使わないと修正出来ない場合もあります。
お直しだって、お気軽にご相談下さい。
最近は毛皮や革製品等の高級素材や特殊素材のお直しだって大丈夫になりました。
いや、マジで凄いっすよ。
話がそれました・・・・
黄ばんだワンピースに戻します。
いかに、状態をキープした状態で黄ばみを綺麗に出来るか・・・
考えて、考えて、そしてお客様に電話しました。
ティッシュペーパーを破かずに、水で洗う様なイメージをお伝えして作業に伴うリスクをご説明しました。
勿論、ここで作業をやめる事も可能です。
判断は私じゃありません。お客様です。
私はお客様の「着たい」って気持ちがある限り、そう簡単に無理だなんて言えません。
何とか「着れる」様になる方法を検討します。
予想どうり、お客様からGOサインが出ましたが、正直びびっていました。
黄ばみをとる自信はめちゃくちゃありました。
でも、白く綺麗になったけど破けてる箇所がおかしくなって、結果着れないなんてなる事も・・・
不安な気持ちはありつつ、「絶対に上手くいく」と強く思い込んで作業をしています。
結果・・・
カンペキです。
殆どお預かりした状態のまま、黄ばみだけ取れて真っ白に修正出来ました。
赤い顔料は、アイロンでプレスするとアイロンが真っ赤になるくらい色が移ってしまいます。
コテ布にも移染してしまいました。
でも、丁寧に仕上げをして見違える様に綺麗になりました。
超嬉しかったですよ。
お客様からは「ダメ元でお願いしたのに・・」と正直な気持ちと綺麗になった事への驚きのコメントを頂きました。
僕らの音楽 武田クリーニング編 #5
元歌はコチラです。
洗えれば
替え歌はコチラです。
撮影:masashi kikuchi
とにかく洗えれば きれいに洗えれば
どんなシミがあっても きれいに洗えれば
何処のお店も同じ たいして変わらないわ
だけど本気で こだわる お店は違うよ
すべてのシミを抜きたい
そう思っているのに
何故かあせって グラついて
ジタバタするけど
あきらめない 逃げ出さない
自分を見失いたくない
汗をかき 恥をかき
染みぬき続ける
とにかく 洗えば きれいに洗えれば
どんなシミがあっても きれいに洗えれば
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より以前の記事一覧
- 麻のブラウスの全体の黒ずみ 2008.06.06
- ステンカラーコートの襟の黄ばみと袖のお直し 2008.05.31
- 子供用のワンピースの古い染み 2008.02.21
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- 古い染みでも大丈夫? 2007.07.23
- シルクのスーツの黄ばみとカビ 2007.06.23
- 全体漂白(復元加工) 2007.04.17
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