ダメージ加工のワンピース
そんな風に思ってる方がいると思います。
確かに、全く傷まないのかと言われれば傷むでしょう。
でも、「傷んだ」事が認識出来ないのではあれば、「傷んでない」と言っても良いと思います。
だから、私は適切なケア・メンテナンスで傷むなんて事はないです。と言います。
額に入れて飾っておく衣類でないなら、着用するでしょう。
着用すれば、確実に汚れます。
でも、「汚れた」事が目視で確認出来ないのであれば、「汚れてない」と思うのも不思議はありません。
「汚れた」って完全に認識出来ないのに「クリーニングに出す」のって意味が解らない!
そんな風に思ってる人だっているでしょう。
モノを買う。
実際にお金と物々交換するのは、解りやすいのですがクリーニングの場合はどうでしょう?
洋服を買うのと比較して、クリーニングに出す行為はずっとテンションが低いのではないでしょうか。
衣替えかぁ~
片付ける暇がないなぁ
クリーニングに出す準備をするのが面倒だなぁ~
なんて思う人もいると思います。
今日、ご紹介のワンピースは昨年の夏に着てたものです。
勿論、秋になって収納する前にはクリーニングに出しています。
でも、今年になって着ようと出してみたら全体が黄ばんでいました。
特にエリと脇の下はかなり酷い状態です。
クリーニングに出して収納してるのに、どうしてこんな風になるの?
そう思うのが当たり前です。
汗が落ちてないのが原因だなんて言われても、プロに頼んでクリーニングにだして駄目なら出さない方がいいわ!
そう言われても仕方ないかもしれません。
多分、昨年依頼したクリーニング屋さんでは洗濯絵表示に従って、石油系溶剤を使ったドライクリーニングをしたのでしょう。
もしかしたら、素材やデザインを見て、洗浄時間を短くしてるかもしれません。
実際、私も見てビックリしましたもの。
黄ばみでビックリしたんじゃありません。
デザインです。
うちの両親は「信じられない」とコメントしていました。
まず、生地は故意にホツレさせたり、破いたりしてあります。
それからペイントされてる顔料も故意に塗ってからはがしてあったり、逆に厚めに塗ってあったりします。
黄ばみを綺麗にする作業内容は漂白です。
しかも全体が黄ばんでいるとの事なので、部分的に漂白するのではなく浸け込みでの全体処理です。
顔料プリントの色が抜ける心配はしていませんでしたが、破けてる生地へのダメージが心配でした。
ちなみに素材は綿です。
余裕で水洗い可能な素材ですが、洗濯絵表示はドライ指定で水洗いバツです。
破けてる箇所は既にデザインされて「傷んでいます」
これを水に浸けるのとドライクリーニングの溶剤に浸けるのでは、クリーニングする事での「傷み方」に凄く差が出ます。
勿論、水洗いの方がダメージが大きいです。
ウール素材なんか解りやすいです。
生地にほんの少しだけ傷があったセーターの場合、ドライクリーニングすれば、殆ど傷に変化はないでしょう。
これを超デリケートにウェットクリーニングしても、傷が広がって穴が開いてしまうのです。
「こんな所に穴なんかなかった!クリーニング屋さんが穴を開けた!」
手間をかけてウェットまでして「綺麗」にしようとした結果がこんなことでは最悪です。
クリーニング屋は、故意に傷を大きくして、ダメージを拡大したいなんてこれっぽっちも思っていません。
逆に、コンディションを良くしてお渡ししたいと願っています。
クリーニングだけではなく、リフォームだってやってくれるお店もあります。
洗ったり染み抜きしたりしても、針と糸、時にはミシンを使わないと修正出来ない場合もあります。
お直しだって、お気軽にご相談下さい。
最近は毛皮や革製品等の高級素材や特殊素材のお直しだって大丈夫になりました。
いや、マジで凄いっすよ。
話がそれました・・・・
黄ばんだワンピースに戻します。
いかに、状態をキープした状態で黄ばみを綺麗に出来るか・・・
考えて、考えて、そしてお客様に電話しました。
ティッシュペーパーを破かずに、水で洗う様なイメージをお伝えして作業に伴うリスクをご説明しました。
勿論、ここで作業をやめる事も可能です。
判断は私じゃありません。お客様です。
私はお客様の「着たい」って気持ちがある限り、そう簡単に無理だなんて言えません。
何とか「着れる」様になる方法を検討します。
予想どうり、お客様からGOサインが出ましたが、正直びびっていました。
黄ばみをとる自信はめちゃくちゃありました。
でも、白く綺麗になったけど破けてる箇所がおかしくなって、結果着れないなんてなる事も・・・
不安な気持ちはありつつ、「絶対に上手くいく」と強く思い込んで作業をしています。
結果・・・
カンペキです。
殆どお預かりした状態のまま、黄ばみだけ取れて真っ白に修正出来ました。
赤い顔料は、アイロンでプレスするとアイロンが真っ赤になるくらい色が移ってしまいます。
コテ布にも移染してしまいました。
でも、丁寧に仕上げをして見違える様に綺麗になりました。
超嬉しかったですよ。
お客様からは「ダメ元でお願いしたのに・・」と正直な気持ちと綺麗になった事への驚きのコメントを頂きました。
僕らの音楽 武田クリーニング編 #5
元歌はコチラです。
洗えれば
替え歌はコチラです。
撮影:masashi kikuchi
とにかく洗えれば きれいに洗えれば
どんなシミがあっても きれいに洗えれば
何処のお店も同じ たいして変わらないわ
だけど本気で こだわる お店は違うよ
すべてのシミを抜きたい
そう思っているのに
何故かあせって グラついて
ジタバタするけど
あきらめない 逃げ出さない
自分を見失いたくない
汗をかき 恥をかき
染みぬき続ける
とにかく 洗えば きれいに洗えれば
どんなシミがあっても きれいに洗えれば
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