全体染め(染め替え)のご依頼
染め替えをして欲しいとのご要望で、新規のお客様がご来店下さいました。
綿とかなら、自分で染めてもいいんだけど・・・と言いながら
袋から出したアイテムは、真っ白なブラウスが2点。
ブラウスといっても、デザインされたカットソーの様なアイテム。
どちらもブランド品で、けしてお安くはないでしょう。
素材は指定外繊維と書かれた化学繊維が65%に綿とその他(忘れた)
もう一点の方の素材は、シルク&カシミア。
お客様のご要望は白から黒への全体染め。
ボタンもキレイに染まりますか?
ワイシャツに使われてる様な一般的なボタンが胸元だけではなく、袖にも複数付いていました。
いや、ボタンは染まらないかもしれません。
とボタンの説明をする以前に、フォントのカラーを変えるみたいに簡単に繊維素材を全体染めは楽じゃない事をご説明しました。
ご相談のアイテムは2点共に、見た感じ新品同様のグッドコンディションです。
どんな理由で白じゃ着たくない服が、お手元にあるのか解りません。
でも黒くなれば着たいとの事。
シミや汚れがあって着れないなら、私の出番です。
染み抜き&クリーニングでキレイにします。
傷たホツレ、もしくはサイズの問題があって着れないなら、お直し屋さんの出番です。
針と糸を使うスペシャリストが問題を解決してくれるでしょう。
では、新品の洋服。
しかも、シルク&カシミアの高級素材。もしくは、化学繊維の洋服を全体染めするのは・・・
部分的な染色補正だけではなく、全体を染めた事例も結構あります。
しかし、新品同様を染めた事は記憶にありませんでした。
結論から言うと、もったない。
ぶっちゃけ、やりたくないなぁ。
その事を正直にお伝えしました。
勿論、どうしても!と言うのならトライはします。
多分、どんな色目の黒になるか解りませんが、黒く染まるとは思います。
お客様にお伺いしました。
この服のお洗濯は、クリーニング屋さんに出すんですか?
すると、エマールで自分で手洗いします。との事。
エマールで洗うモノってどんなものでしょう?
デリケートな繊維素材のオシャレ着ですよね。
優しく、手洗いしなければ、風合いを損なうかもしれない。
そんなアイテムです。
全体染めをする作業内容と言うのは、そんなデリケートな浴中の処理とは対極にあります。
手で触れない程の高温の浴中での作業となるんです。
ちなみに、私がいつもアクセスしているゆ~ゆ~さんのブログに、偶然全体染めの記事が投稿されていました。
実際に、写真や文章からイメージする以上に、実作業は困難で時間のかかる事を同業だからこそ知っています。
洋服のデザインと色の関係はとても重要です。
このデザインでこの色だから!
確かに、ドッチの色にしようか迷いに迷って、結局購入してからもお店に置いてきたあの色の方が良かったかも・・・
なんて鏡の前で思うこともあるでしょう。
でも、その色を実際に見て、イメージが解ってる場合です。
全体染めで出来上がる色。
これはなかなかイメージしにくいものがあります。
それに、繊維素材に与えるダメージ。
染める前は、こんな風合いじゃなかったのに!なんて可能性だって、ご相談のアイテムなら十分あります。
そんな風に、ご説明をさせて頂きまして、是非再度ご検討してみて下さいとお願いしました。
料金的は事で言えば、染み抜きなら成功報酬制ですが全体染めは例外です。
私はお客様からお預かりした衣類を私本人が実作業をします。
経験から話せることも沢山あります。
正直に、私が出来る事を全てお話します。
お客様はオシャレに関しては、私の何倍も詳しいです。
でも、クリーニングや繊維素材。
メンテナンス方法に関して、私は専門家でありたいと日々勉強をしています。
ご要望の色に染め直す。
ご要望に応えたい。お役にたてるように・・・
そう思っておりますが今回は「しないほうがいいのでは」って感じでした。
ちょっと稀なご相談だったのかもしれません。
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